大寧寺の桜
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夫がパソコンとカメラの何でも屋「工房スマップ」という自営業を立ち上げましたが、珍しく手伝って欲しいと言うので、今日初めて撮影助手の仕事をしました。
詩画の作品集制作の依頼があり、写真立てから屏風まで大きさの様々な詩画を画廊で撮影しました。沢山の作品を次々に撮影し、画像を編集して最終的に本に仕上げるのです。完成するまでに手間暇がかかるのですが、いつも夫は好きな仕事だからと淡々とこなしていきます。それに、喜んでももらえればそれが一番と安価な値段を提示します。
今日の私の仕事はレフ版持ちや額縁からのガラスの取り外し等でした。初仕事はまあまあこなしたわけで、どんな本になるのか完成が楽しみです。
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母の介護で忙しく、気がつくと外はすっかり春です。春が来て、梅の花が咲く頃いつも思い出すことがあります。
若い頃、初めて転勤した職場で知的で聡明な女性と出会いました。彼女とは今も交友が続いているのですが、その彼女と出会った頃に花の論議をしたことがあります。
二人で奈良、京都へ行き、たしか秋篠寺の境内で梅と桜の話になりました。境内は雪がちらちら舞って寒かったのですが、梅の花が凛と咲いていました。彼女は寒い冬に凛と咲く梅の花が桜より勝っていると言いました。私は青い空に映える桜は梅よりも勝っており、桜色は写真でも絵画でもどうしても描くことができない貴重な色なのだと主張しました。
今、私の畑には梅と桜の木があります。桜は私が退職記念に植えたものです。梅は両親が植えたもので大小様々です。桜は白い花が咲き、梅は淡い淡い桃色です。寒の頃、海の見える小高い丘で淡いピンクの梅の花が咲き始めると、もうすぐ春なのだとなんとなくほのかな優しさを感じます。反面、桜が満開になり海風にひらひらと雪のように舞っている風景は、もう春は終わりなのかとどこか淋しい無常を感じてしまいます。
彼女とした花の議論はお互いが覚えており、私は歳とともに梅の良さがわかると言い、彼女は歳とともに桜色の魅惑に惹かれるようになったと言い、花の論議はお互いに消えることのない早春の思い出となりました。
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